コロナ禍で川口の年間休日数は増加

 5年ぶりにハローワーク求人を分析して、年間休日数の相場を調べ直してみました。この調査は、コロナ前とコロナ後の比較でもあります。コロナ前は、川口エリアの年間休日数相場は「上114日、中107日、下96日」でした。これが今回の調査では「上121日、中110日、下106日」でした。上中下とは、上位1/4、中位数、下位1/4の企業です。私はこれを見て、「コロナ禍により中小企業の求人戦線がガラリと変わった」と感じました。

 まず、前回調査では6社に1社が年間休日85日以下でした。ところが、今回はこの層が消滅していました。求人にまったく応募がなく、求人そのものをあきらめてしまったのでしょう。下位が消滅したことにより、前回の中位数107日の企業が下位106日に繰り下がった形です。次に、1日8時間所定の会社にとって週休2日制に対応する年105日休日を少し上回る年106日~年111日の間に多くの企業が集中しています。建設業や製造業の企業が多く含まれます。さらに、先頭集団は年間休日121日です。イメージとして土日祝日休みの会社です。これは、川を越えて北区、足立区の上位と並んでおり、新宿、池袋ほか都心の企業の中位と同じです。

 業界によって年間休日の相場は幾分異なりますが、20代、30代社員に共通して大切なのは「自分の時間」です。このため、彼ら、彼女らにとって「休日、休暇、残業時間」は給料と並ぶ重要な待遇です。それだけに業務の中の非効率やムダに敏感でもあります。若手に業務改善を提案してもらい、各業務の所要時間が短くなったことを確かめながら、毎年1日ずつでも年間休日を増やし人材確保力を高めていきましょう。