どこからがパワハラ?

身体的な攻撃

  • 上司が部下に対し「なんで何度言ってもわからないんだ、お前は!」と言って、頬を平手打ちした。
  • 上司が反抗的な態度をとる部下の胸倉を掴んだ。
  • 上司が新入社員に対し、冗談めかしてプロレス技を掛けた。
  • 上司が、部下に対し、「こんな書類でいいと思っているのか」と言って書類で机を叩いたり、「これ消せ」と言って消しゴムを投げつけたり、椅子やごみ箱などを蹴るのを見せつける、ドアをわざと強く閉めて音を出す等した。
  • デリカショップ店員が作業中の包丁を持ったまま怒り、上司に包丁を近づけた。
  • 上司が、部下と重い機材を2人で協力して運ぶ作業に従事中、当該部下が正しい手順で保持しなかったこと、注意してもそっぽを向いていたこと等に腹を立て、ヘルメットの上からトンカチで軽くたたき、注意指導した。
  • 電話の取次ぎ方が悪い等として激昂し、「おい、ちょっと来い!」「外に出ろ」などと怒鳴り、被害者を所外に連れ出そうとした。
  • 上司が部下に対し叱責する際、長時間、床に正座を強要した。

  • 業務と全く関係のないことを理由に同僚間で殴り合いの喧嘩が起きた。
  • 上司が部下を注意指導していたところ、部下が急に無言で立ち去ろうとしたため、上司が「待て、まだ終わっていない」と言って部下の肩に軽く手をかけた。
  • 「歩きスマホ」をしていた上司が部下に誤ってぶつかった。
  • 上司が自分の机にペンを置こうと投げたところ、投げ方が下手なため隣の部下に当たってしまった。

精神的な攻撃

  • 上司が、部下に対し、「お前なんか辞めちまえ」「いらない」「消えろ」「お前の代わりはいくらでもいる」「よく生きてこれたな」などと告げ、人格や尊厳、名誉を傷つけた。
  • 複数の若手社員に対して、毎日、30分程度立たせたまま、「どういう育てられ方をしてきたのか」「この会社にむいてない」「屋上から飛び降りろ」などといった発言をした。
  • 上司が、部下に対し、「この仕事は君に向いてないから辞めた方がいいよ」「辞めないならどこか田舎でも転勤したら」と不当な転勤や退職強要をした。
  • 上司が、ミスの多い部下や反抗的な態度の部下等を目の前にして、誰とは特定せずに「うちは大卒の中でも上のレベルが集まっているから、高卒の君たちではね。退職する?」「俺がその気になれば能力不足を理由に2、3人はクビにできる」「態度がひどくて過去にやめさせたやつもいる」と言った。
  • 上司が、部下に対し、「前に君のような社員がいたが、メンタルになって辞めていった」と述べた。
  • 上司が、能力不足で納期や指示を守れない部下に対し、何度も注意指導する中で「新人社員以下だ。もう任せられない」「お前の日誌なんか見たくない。書かなくていいから定時になったらさっさと帰れ」と発言した。
  • 社員に対する指導をした後、他の社員もいる前で、「本当、使えない奴ばっかり」と独り言のように発言した。
  • 取引先との打ち合わせの際、商品サンプルを忘れた社員に対し、取引先の従業員もいる前で、「何やっているんだ?」「何回やったらわかるんだ?」と大声で怒鳴り、さらに「だいたいお前は前も押印を忘れていた、だから駄目なんだ」と過去の失敗まで持ち出し、執拗に叱責を継続した。
  • 職場の同僚全員で、ある社員を毎日「ブサイクハゲ」と呼んでいた。
  • 上司が、一生懸命業務報告をしている部下に対し、舌打ち、鼻を鳴らす等軽蔑した態度をとり、さらにそれを無視するように横を向いて「全然ダメだな、しかも朝からお前の声聞くと腹が立つ」と言い放った。
  • 日本人社員が、海外から赴任してきた社員に対し、「外人はこの仕事できないから」「女の外人に任せられるわけない」等と差別発言を繰り返した。
  • 上司が、いわゆる「ゆとり世代」の部下がミスをした際に「これだからゆとり世代は!」と揶揄する発言をした。
  • ミスをする部下に対し、毎回、上司が自席の前に立たせて、周囲の人に聞こえるような大声で叱責した。
  • 上司が、部下に対し、他の従業員の前で一方的に「俺が絶対に正しいんだ。皆もそう思わないか」と言う等、他の部下に同調を求める発言をした。
  • 直立できない身体障害を有する部下に対して、上司が、「いい加減、独り立ちしてみろよ」と言った。
  • 上司が、CCに部署全員を加えたメールで、要領の悪い部下に対し、暴言ではないがきつい言い方で仕事上のダメ出し(内容自体は極めてロジカルで正当)をした。
  • 営業成績の悪い営業職員を「お仕置き部屋」に閉じ込めた。
  • 書類に致命的な誤りが見つかった際、上司が、本当は上司自身のミスであるにもかかわらず、部下に対し、他の従業員の前で「お前がこの部分の調査担当だったから、お前のせいってことだよな」と当該問題の犯人扱いをし、責任を転嫁した。
  • 能力不足の社員が上司に朝の出勤時に挨拶をした際、上司が無言でロッカーを思い切り閉めた。
  • 成績が不良の社員一覧を、支社内の全社員が見ることのできる場所に掲示した。
  • 上司が部下に「そんな仕事もできないなんて、やはりオカマ野郎は人間として失格だな」と言った(セクハラにも該当する)。

  • 上司が、毎回遅刻するうえに1人だけジーパンで出社等しており、かつ再三注意されても改善しなかった部下に対し、「いい加減にしろ、社会人として自覚を持て!」と一定程度厳しく注意した。
  • 上司が、他の社員への攻撃的言動が認められた問題社員に対して、改善指導を行った。
  • 顧客の前でも新人アピールをして何もできないといった態度をする従業員に対して、上司が、「新人だからといって何もしないのでは成長は期待できない、精一杯がんばれ!」と一定程度厳しく言った。
  • 上司が問題社員に注意・指導した際、「なぜ私の言い分を聞いてくれないのか」などと抗議を受けたが、上司はその他の証拠から認定できる事実を基に会社の見解を説明し理解を求めるため複数回にわたり面談を行った。
  • 上司が、普段からスケジュール調整がうまくできない部下からの残業申請に対して「Aさん、優先順位を付けて仕事しないと駄目だよ」と注意した。
  • 上司が、部下に対し、他の従業員の前で「意見は聞いたが、この件については自分の考え方で進めるので、指示に従ってやりなさい」などと告げた。
  • 上司が、締切間近にもかかわらずさぼったために業務が終わらなかった部下に対し、「緊急性の高い重要な業務なので次の祝日も出勤して何とか間に合わせたらどうか」と聞き、それも拒否されたため「それでは命令をするので従いなさい」と一定程度厳しく指示した。
  • 必要な雑菌処理を面倒だといって勝手に省略しようとした部下に対して、上司が「そんなことをして万が一お客様の体調に何かあったらどうするんだ!」と一定程度厳しく指導した。

人間関係からの切り離し

  • 社員らが、ある社員をわざと無視し続け、ランチや飲み会、会議でも1人だけ誘わなかった。
  • 上司が、転勤してきた部下に対して全く仕事について指導せず、指導のお願いを無視したり、「自分で学習しろよ」と言って放置したりした。
  • 30歳前後の現場業務に慣れた社員3名が、配属したてで現場業務に不慣れな中年上司に対して明らかに馬鹿にする態度を取り、同上司の指示も聞き流す等した。
  • 上司が、部下について、周囲の人に「あいつは役に立たない」「口をきくな」などと言いふらしたり、中傷メールを出したりした。
  • 社員らが、同僚につき「Bは転職しようとしているらしい」と根拠のない噂を流し、それを理由に誰も噂された社員と会話をしなくなった。
  • 上司が、部下に対し、「もう社会に出て来るな!顔も見たくない!」と言って、強制的に自宅待機させた。
  • 社員らが、送別会への参加募集メールを同僚1人だけ送らず、同人が参加を表明しても「盛り下がるから来ないで」と言って参加させなかった。
  • チームで新規開店準備を進めている際、1人だけ暖房のない寒い部屋での作業を命じた。
  • 上司が、多くの部下が残業している状況下で、気に入らない1人の部下だけに対し、合理的な理由なく、「お前は今後一切残業しなくていい」と言って残業を禁止した。
  • 上司が、特に理由もなく「仕事は全部1人でやれ、絶対に他の社員と話したり、手伝いを求めることは禁じる」と部下に言った。

  • 遅刻を繰り返す部下に対し、上司が「君がそういう態度を改めないかぎり、今後皆君の面倒見るのをやめてしまうぞ」と告げた。
  • 唯一の新人社員を育成するために、短期間集中的に個室で研修等の教育を実施した。
  • 仕事のできない新人社員を直接指導するため、直属の上司の前の席に配置したが、配置上、隣の席からは1つ空く形になった。
  • 上司が、懲戒処分を受けた部下に対し、通常の業務に復帰させる前に、個室で必要な研修を受けさせた。

過大な要求

  • 上司が、部下に対し、終業時刻間際になって、毎回「残業してでもやれ」と言って通常3時間ほどかかるデータ処理業務を押し付けた。
  • 上司が、新人で仕事のやり方もわからない部下に、他の人の仕事まで押し付けた。
  • 上司が、1か月2件程度が平均成約件数であるのに、「お前は1か月5件程度がノルマだ」として、部下に達成不可能な営業ノルマを常に与えた。
  • 上司が、通常4人くらいで行う検査業務を、1人の部下に押し付けた。
  • 直行直帰が認められている営業社員について、大幅に遠回りになるにもかかわらず、現場への直行を認めずに事業所に寄るように指示する。
  • 上司が、部下たちに対して、夏間の中、冷房の利かない部屋で毎日ミーティングを開催するよう強制した。
  • 上司が、自身の私的な飲み会の予約等の手続きを部下に強制した。

  • 急な海外業務に対応すべく、短期集中的に語学研修を実施した。
  • 上司が、営業職の部下らに対し、「毎月〇万円の売り上げを予算(目標)とします」と継続的に周知していたが、実際には予算を達成できることはまれな非現実的目標値であり、かつ、達成できなくとも、口頭叱責も含めてペナルティは何もなかった。これらのことを部下らは全員知っていた。
  • 上司が、部下に対し、終業時刻間際になって突如発生した通常3時間ほどかかるデータ処理業務につき、スケジュール上当日中に処理する必要があったため残業を命じ行わせた。

過下な要求

  • 上司が、プログラマーである部下に、「お前は今日からお茶汲みが仕事だから」と言って、それ以来お茶汲みだけをさせた。
  • 上司が、部下を他の部署に異動させたうえ、仕事を何も与えられないようにした。
  • 上司が、特に理由もなく、人事部でキャリアを積んでいた部下に、街頭でのティッシュ配りをさせるようになった。
  • 上司が、部下に対し、「今日は1日中反省してなさい、仕事しなくいいから」と言った。
  • 上司が、部下である管理職の社員を退職させるため、新卒社員が担当する業務だけを割り当てた。
  • 上司が、必要もないのに、営業職社員である部下に「倉庫の掃除はお前が全部やれ」と言った。

  • 営業上に理由により、一時的に能力に見合わない簡昜な業務に就かせた。
  • 新入社員の電話対応に問題があり客からのクレームがあったため、外部からの電話には当面出ないように指示し、内線のみとればよいと指示した。
  • 上司が、重大な過失によりフォークリフト事故を起こした部下に対し、1週間程度、基礎的なフォークリフト操作のマニュアル集を再復習し、他の業務に就かないよう命じた。
  • 上司が、懲戒解雇事由該当行為を行ったとみられる部下につき、懲戒解雇事由調査時には自宅待機を命じられるとする就業規則規定に基づき、「今日からとりあえず家にいなさい」と言って1週間程度の無給の自宅待機を命じた。

個の侵害

  • 上司が、部下に対し「この間の休日は何をしていたの」「彼女とはどこに行って何をしたの」等と質問し、私的なことに過度に立ち入った。
  • 上司が、部下に対し「奥さん選びに失敗したね」「友人関係を見直した方がいいよ」等と家族、友人などの悪口を言った。
  • 上司が、部下に対し、緊急の仕事ではないのに休日や夜間にLINEで連絡を入れ、反応を求めた。
  • 上司が、複数回飲み会に誘い、職場の懇親会を欠席する際に理由をいうよう強制した。
  • 職場の職員たちが、業務上の正当な理由なく、同僚の1人を、GPS付きの携帯電話を用いる等して、職場内外で継続的に監視した。
  • 上司が、部下の個人所有のスマートフォンを勝手に覗いたり、部下の不在時にカバンの中を勝手に物色して私物を撮影したりした。
  • 上司が、有給休暇を申請した部下に対し、「遊び目的なら年休はとれないよ」と言って取得理由をしつこく聞いた。
  • 上司が、部下に対し、必要もなく「次の祝日もお前だけは出勤だ」と命令し、それを拒んだことに対しては、「そんなこともできないなら辞めちまえ」と辞職を強いるような発言をした。
  • 休日に上司が、特に必要性がないにもかかわらず、会社の独身寮にいた部下を突然訪れ、「生活状況の確認だ」と言って同意なくその部屋に立ち入った。
  • 上司が、部下に、家族に精神障害を有する者がいないか執拗に確認した。
  • 上司が、部下が性的マイノリティ(LGBT等)であることを、部下の承知も得ずに他の部下に曝露した(セクハラも成立し得る)。
  • 上司が、部下が以前癌に羅患しており、その影響で現在不妊治療中であることを、当該部下の了承も得ずに、他の社員に曝露した(マタハラ等も成立し得る)。

  • 休暇日数検討の関係で、休暇利用の状況等についてヒアリングした。
  • 土曜日に事故案件が発生し、月曜日の朝までに緊急の対応が必要になったため、部下を電話で呼び出して対応を命じた(休日出勤扱い)。
  • 上司が、部下の携帯端末に随時メールが着信することを知りながら、休日あるいは深夜に業務上の指示をするメールを送信した。ただし、そのメールには、「次の出勤日から取りかかってください」と記載されていた。
  • 複数人の休暇申請が重なったときに、時季変更権を行使する対象となる労働者1名を誰にするか判断するため、各申請者に休暇取得の目的をヒアリングした。
  • 従業員に周知されているモニタリングの規定に基づき、会社貸与のPCのデータを探索し、その中には私用メールも含まれていた。
  • 上司が、性的指向・性自認、病歴、不妊治療中である等といった点から配慮が必要と思われる部下について、それぞれ部下の了承を得たうえで、その旨を人事担当に伝えて配慮を促した。