どこからがセクハラ?

性的な内容の発言

①他人の性的事情の流布、吹聴

  • 男性営業職員が、女性営業職員の方が成績が良かったことに嫉妬して、当該女性営業職員について、「彼女は顧客に色目を使っているから成績がいいんですよ」と会社内で言いふらした。
  • 男性社員が、「同僚のA女は不倫している」と言いふらした。
  • 飲み会で上司が、女性職員について「この子は彼氏いたことないんですよ」とからかった。
  • 男性社員が「同僚のB女は出会い系サイトやアプリで毎週違う男と遊んでいる」と言いふらした。
  • 男性上司が、飲み会で部下の性生活を話のネタにした。
  • 男性社員が、女性社員が具合の悪そうにしていた理由について、当該女性が生理中であることを確認した後、的中したと周囲に言いふらす。

②夜のディナー・飲み会、泊まり、性交の誘い

  • 男性社員が、残業中など女性の同僚と2人きりの場面で、冗談のような感じで「やらせてくれよ」「俺の愛人になれ」と言った。
  • 単身赴任中の上司が、飲み会の終了後、2人きりで帰宅する際、部下の女性従業員を自宅に誘ったor部下の女性従業員(1人暮らし)の家に行かせてくれと迫った。
  • 営業担当の上司(男)が営業担当の部下(女)と仕事で一緒に車に乗った際、高速道路から見えるラブホテルの前で「俺ここ好きなんだよね」「今日は暑いから本当はここで降りたいんだけどね」と言った。
  • 取引先の女性担当者に対し、仕事のためと言って個人の携帯メールアドレスを聞いたうえで、「今度泊まりに行こうよ。」とメールした。
  • 部の飲み会に参加しなかった女性社員に対し、「何で昨日来なかったの? 一緒に飲みたかったのに」と繰り返し発言した。
  • 男性上司が、女性部下に、2次会のカラオケにて何回も個人の携帯電話番号を聞いた。
  • 男性上司が女性部下に対し、出張の宿泊先ホテルで「君のことは女性として意識していないから、2人で部屋で飲み直さないか」と誘い、女性職員が「忙しいのでちょっと」と断ると、手帳を取り出して「いつなら空いてる?」「〇日はどう?」と執拗に尋ねた。
  • 男性社員が、女性の同僚に、LINEで一方的に毎日食べたもの(ラーメン等)を報告したり、食事に誘ったりした。
  • 以前同じビルに勤めていた女性社員が自分と同じビルに異動となったことを聞きつけ、男性社員が当該女性社員に対し、LINEで「また一緒になったね。もしかして君が僕に会いたくて希望したのかな?」と送った。

③自身の性経験を語る

  • 女性社員が近くにいるにもかかわらず、職場の男性たちが風俗店の話をした。
  • 飲み会の場において、上司の既婚男性が、女性を含む部下の前で自らの不倫の体験談を語り、女性の部下に対して「Cさんともそれくらい仲良くなりたいな」と言った。

④容姿(身体・服装)への言及

  • 男性上司が、結婚予定の女性職員に対し、「身体で彼を射止めたか」と言った。
  • 男性社員が、女性の同僚に、「髪切ったんだ、彼氏に振られたの?」「今日は全身勝負服?」「君はお風呂派?それともシャワー派?」「今日の服装は好みだ」と言った。
  • 上司が、女性の部下に対してスリーサイズやブラジャーのサイズを、男性の部下に対して男性器のサイズを聞くなどした。
  • 上司が、女性従業員に対し、「君も昔は可愛かったのにね」と言った。

⑤他人の性的事情に対する質問、言及

  • 男性社員が、同僚の新婚の女性パート社員に対して、「夜の生活はどうなの」と尋ねた。
  • 上司が、「お前は同性愛者だろう」と部下をからかった。
  • 上司が、「今まで何人と付き合ったの?何人との経験があるの?」と部下に聞いた。
  • 上司が、部下に対して、「結婚はまだですか」と繰り返し聞いた。

⑥その他

  • 男性上司が、女性部下に、「お箸で食べさせて」と言ったほか、逆に自分が一口食べたものを「これも食べてよ」と言った。
  • 社内での座席の決定に際し、「Dさんの隣は早い者勝ち」等と部内のメンバーに対し、一斉メールを送信した。
  • カラオケで、女性社員がいる前で、歌の歌詞を卑猥な言葉に替えて歌った。

  • 上司が、職場内不倫をしているとの部下からの報告に基づき、当該男女社員を個別に別室に呼び出し、他の職員がいない場所で、「職場内で不倫をしようとすることは企業秩序上許されないが、まさかしていないだろうな」と口頭で尋ねた。
  • 男性上司が、「あれっ、髪切ったの。雰囲気変わったね」と部下に言った。
  • 同僚が、歓送迎会に行く途中で道に迷った旨報告した女性社員に対し、彼女が今後迷わずに済むように「よければ私用携帯電話の番号を教えてくれないか」と聞いた。
  • 男性上司が、取得する休暇の種類を明らかにしないで生理のために就労が困難なことから休暇の申請をした女性社員に、取得する休暇の種類を尋ねた。
  • 定期的な催しとして職場の飲み会(1次会)が開催されるため、上司は、任意参加である旨を伝えたうえで、部下全員に参加確認をした。

性的な行動

①必要のない身体接触・接近

  • 社員旅行中、上司が、部下に対し、男女ペアでの風船割りゲーム(両者の胸で風船を押し合って割る遊び)を命じた。
  • 男性上司が、女性パート社員の肩を、同人が頼んでもいないのに「仕事大変だね」等と言いながら揉んだ。
  • 男性上司が「綺麗な髪だね」と言って女性部下の髪をかき分け、「俺、Eちゃんの髪の匂い大好きなんだよ~」等と言って、鼻を髪に寄せて匂いを嗅いだ。
  • 男性上司が、女性社員の後ろから突然「綺麗になったね」といって同人を軽く抱きしめた。
  • 男性社員が、スマートフォンを操作する女性部下に対し「こう操作するんだよ」と言って突然手を重ねた。
  • 飲み会で毎回「俺の席はここ」と言って男性社員が女性社員の膝の上に座るくだりがあった。
  • 「筋トレしているんです。触ってみてください。」と言って腕を見せた女性社員に対し、腕だけでなく、腹部や下半身も触った。
  • 2次会のカラオケで男性上司と女性部下とでデュエットを歌った際、同上司が同部下と肩を組んだ。
  • 2次会のカラオケの席で男性社員が、隣の女性部下と必要もないのに密着するように座る.もたれかかる、膝に手を乗せる、手を握る、頭をなでる、「一緒に帰ろう」と連呼する等した。また、これを見た男性社員の上司が、「F(女性部下の名)喜んでるじゃん」と述べて煽った。
  • 懇親会の終わり際、男性上司が、女性部下たちに対して、「今日は楽しめたか?」と言って肩や頭をぽんと叩いたり、女性部下のおでこにキスをしたりした。
  • 職場での飲み会終わりに、上司が、「大丈夫です」と断る女性部下にタクシーに一緒に乗ることを強要し、その際に手を握られた。
  • 男性社員が、女性の同僚と忘年会の景品を買いにでかけた際、手を引いて大人のおもちゃのコーナーに連れて行こうとした。
  • 男性社員が、女性部下に、自分の吸っていたたばこを無理やり吸わせようとした。
  • お土産のお菓子を渡す際に、意図的に手を包むように触った。
  • 男性社員が、女性社員の背中をペンでなぞるように触った。
  • キスをする真似をしながら顔を近づけた。
  • 出張先で男性上司と女性社員が2人で飲食し、その際、帰宅したいと述べているのに、執拗に手で引き止めた。
  • 男性上司が、集合写真を撮影する際、隣に立つ女性社員の腰に手をまわして添えた。
  • 職場関係者で開催されたバーベキューで集合写真を撮影する際、男性上司が女性社員に自分の膝に座るように指示し、断ると腕を掴んで膝の上に座らせた。
  • 男性上司が、女性社員に「飲み物買ってあげるよ」と言い、自動販売機まで移動する際に同人の手をつないだ。
  • 男性社員が、後ろの席に座っている女性社員を振り向かせるため、毎回、声をかけるのではなく、手の甲で女性の上腕部や腿を触る方法で振り向かせた。
  • 上司である次長が、部下が他にいるにもかかわらず、特定のG女に対してだけお土産を買ってきたり、有名店のケーキを渡してきたりするといった行為を繰り返した。

②性的なもの(ポスター等)を見せる

  • 男性社員が会社の机で休憩時間中に、他の女性社員の目にも触れるような状態で、スマートフォンでアダルトサイトを見ていた。
  • 他の女性社員の目に触れるような状態にある男性社員のパソコンの壁紙が女性のオールヌード写真だった。
  • 水着姿のグラビアアイドルの写真が職場に貼ってあった。
  • 男性社員が、自分たちが全員裸で踊っている写真を社内で配った。

③性的関係の強要

  • 男性社員が、「ホテルに行けば悪いようにはしない」と女性部下に言った。

  • 男性上司が女性パート社員に危険作業を教えるために必要な範囲で手に接触した。
  • 男性上司が、「頑張れよ」と言って男性部下の肩をポンと叩いた。
  • 当社製品である日焼け止めの広告を社内に貼っていたが、これは女性モデルが水着で泳いでいるポスターであった。
  • 安全バーを下げずに作業を開始しようとしたため、「危ない」と言って腕を掴んだ。

これらに類似した内容の発言及び行動

  • 男性社員が、女性部下に対して、「女はお茶汲みだけしていればいいんだ」と言った。
  • 男性社員が、女性社員に対して、懇親会について「女性でお客様の横を固めてお酎しろ」「飲み会の取り分け作業は女性の担当ですから必ず女性がやること」と言った。
  • 暑気払い、忘年会の2次会のカラオケにつき、派遣スタッフも含め若い女子スタッフだけは必ず出席することが通例になっていた。
  • 男性上司が、「稼いでいる旦那と結婚して、専業主婦になるのが一番の幸せなんや」「女性はいつ辞めるかわからないから仕事は任せられない」と、新人の女性に述べた。
  • 社員旅行の宴会の席にて、男性上司が、スラックスで出席した女性部下に対して「なぜ浴衣で出ないのか」「早くお酒を注いでくれ」と述べた。

  • 非常に重い段ボールで女性には運べそうになかったため、女性上司が、男性社員のみを同作業に充てた。
  • 上司が、女性従業員Hに対し、「女性従業員Iが悩んでいるようである。女性同士でしか話しにくいこともあると思うので、今度、女性従業員Iの相談に乗ってやってくれないか」と発言した。
  • 過度に露出度の高い服装を着ている女性社員に対して、「目のやり場に困る」と言って、職場における服装の選択について注意するよう指導した。