令和8年10月より企業にカスハラ防止措置を講じる義務が課されます。社長や総務部長は、労働局パンフレットやネットニュースで「カスハラ対策を講じないといけません」という記事をよく目にするようになったと思います。ここで時枝は「大切なことを見落とさないでくださいね」と申し上げています。
まず、自社の業種を踏まえることが大切です。厚労省調査によると、カスハラが多いのは医療福祉、金融保険、宿泊飲食サービス業など、B to Cの業種です。貴社が製造やITなどB to Bの業種でしたら、自社ホームページに「当社のカスハラ対応方針について」などとアップして、読んだ顧客・見込客か引いてしまわないか、顧客目線で見る必要があります。総務部だけではなく、営業部にも見てもらうべきです。
多くの企業では、顧客からのクレームには誠意をもって対応してきたと思います。この経験は営業部に蓄積されて、対応方針も既にできているはずです。カスハラはクレームの「例外」ですから、社員が利用するカスハラ相談窓口は総務ではなく営業部内においてください。「クレームは営業、カスハラは総務」と分断すれば、社内は混乱します。さらに、若手営業職がクセのある顧客担当者をカスハラだと総務に申し出ることで、担当しなくてすむような形になるなら、営業部内で指揮命令の秩序が崩れてしまいます。これも避けなければなりません。
