トヨタ、配偶者手当を廃止、子供には2万円支給

トヨタ自動車は、家族手当について、配偶者の手当を廃止する代わりに子ども1人当たりの手当を従来の5,000円から20,000円へと大幅に増やし、子育て世帯に重点的に支給することにしました。

NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150707/k10010141871000.html

埼玉県の弊社顧問先では、家族手当の最頻値は、配偶者10,000円、子1人につき5,000円でした。

トヨタの判断には、生涯未婚率の上昇が影響していると考えられます。
内閣府「平成25年男女共同参画白書」によると、戦後から昭和期まで男女の生涯未婚率は5%未満で推移していました。

ところが、平成に入って男女とも増加の一途をたどり、平成22年では男性の20.1%、女性の10.6%が生涯結婚をしたことがありませんでした。

そうすると、独身男女社員から「同じ仕事をしていても結婚しているというだけで給料が高くなるのはヘンではないか。」という声が大きくなるのももっともです。

さらに、家族手当を配偶者に支給する場合、給与規程に「配偶者が税法上の被扶養者である場合に限る。」というただし書きを付けている会社が多く見られます。これでは、既婚女性社員の多くが配偶者手当を受けられません。

すると社内ではこのような構図が生まれるのではないでしょうか。

配偶者手当支持派(既婚男子で妻は扶養範囲内のパート)
            VS
配偶者手当廃止派(既婚男子共働き+独身男子+女子全員)

これでは「勝負あった」になります。
そして、子供への手当支給は男女とも受け取れますから、社員の納得も得やすいところです。こうした動きは、大企業から今後ゆっくりと進んでいくと予想されます。

最後に、師である北見昌朗先生による解説をご紹介します。
http://tingin.jp/qanda/kazokuteate/